デザイナーが考える「絵をうまく見せる方法」

おはようございます!
カズです!

 

今日はのお話です。

僕は社会に出てからこれまでデザイナーとしてグラフィックデザインを中心に活動してきたのですが、その傍らイラストやキャラクターを描いたりもしています。
仕事以外にも、小さな時からマンガやゲームのイラストをよく描いていました。

 

そんな人生の中、昔からあちこちで耳にする言葉がありました。

 

それは、

「絵がうまくなりたい!!!」

「どうしたらもっと絵がうまくなれるの!??」

というお悩み。

 

これは芸大受験から机の落書きレベルの広い範囲で、絵の勉強をしている人もする必要がない人も、みんなよく言っています。
かくいう自分も仕事で描くこともある以上もっとうまくなれたらいいなと思っています。

 

ただ、「こうしたらプロ級の絵が描けるよ」なんて方法があるものなら世の中ニートか画家かってくらいに社会が乱れそうなものですが、今のところそんな感じはしないのできっと楽な方法はないんでしょうね。

 

じゃあお悩みは解決できずに終わってしまうのかというと、案外そうでもありません。

 

今日は自分で実践してみて良くなった、「絵をうまく見せる方法」をご紹介させていただきます!!

 

イラストレーターを名乗ったことのない僕が、これまでの経験で学んだ「絵をうまく見せる方法」
きっとみなさんにも効果があると思います。

 

では早速ご紹介していくのですが、まず↓のりんごをご覧ください。

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このりんごをモチーフにして絵を描くとします。

 

まずいつもの感じで描いてみてください。

みなさんはどう描きますか?
下からとかヘタからとか、人によっていろんな描き方があるはずです。
そのまま描くと普段と同じですよね。

 

それでは今度は、このりんごについて考えられることをひたすら考えてください。

形は?
色は?
味は?
においは?
大きさは?
重さは?
…などなど、いろいろあると思います。

 

考えきったら、それらを頭にイメージしながらモチーフのりんごをよく見つめて描いてみてください。
声に出しながら描くとなおいいです。りんごが近くにある人は実際に手にとってみるのもいいです。

 

「ここの濃い部分おいしそうだな」とか
「ここは固そうだな」とか
「さわったらさらさらしてそう」とか
ぶつぶつ言いながら描いてみてください。

 

 

…描けましたか?

 

 

はい、うまくなりました!!!!!

 

 

…文章だけ追っていると「バカにしてんのか?」とけっこうマジな目で詰められそうなんですが、絵を見てみると、最初に何も考えずに描いた時よりもきっとうまくなっているはずです。

ひょっとしたら後に描いた方が形がいびつになった、という人がいるかもしれません。そんな人も、最初に描いた方と見比べると、後の方が魅力ある絵になっていると思います。

 

 

そうです。

 

「モチーフを感じながら描く」

 

これがうまく見せる方法です。

 

 

何も考えないよりも考える方が、考えるだけよりもさわって感じた方が、より味のある絵になります。

絵が下手な人が描いた絵が、下手なのになぜかよく見える時ってありますよね。
線こそめちゃくちゃなのに特徴をとらえていたり、引き込まれる「何か」があるのは、描き手の見る力や想像力、強い想いが込められているからです。
逆に、ものすごく緻密に描かれているのになんとなく魅力を感じない絵というのは、技巧的で描き手の想像力や想いがあまりないからです。

 

 

 

この方法は、高校時代に通っていた画塾(主に芸大受験のための絵の塾)の先生に教わりました。

とあるデッサンの試験で、モチーフのひとつに「モップ」が出ました。

160229_02

↑こんな感じです。

 

複数モチーフがあってただでさえ時間がないのに、こんな描く要素が多いものを出してくるなんて恐ろしいなと当時は思ったものです。
紐の本数、一本ずつの繊維、太さ、塊感…などなど、見ればみるほど非常にめんどくさいです。

 

案の定みんな苦労したようなのですが、その後塾で先生からこんなことを聞きました。

 

「モップの描き方わかるか?ぐしゃぐしゃーってしてたなら、ぐしゃぐしゃーってそのまま描けばええねん。一本一本全部丁寧に描く必要なんかないんや。」

 

そう言いながら紙に鉛筆でぐしゃぐしゃに描いていく先生。これが不思議なことにだんだんモップになってくるんです。

 

続けて、「モチーフを感じることが大事」「(OKなら)手で持ったり近くで匂いを嗅いだり、なんなら食べてもいい。それでモチーフがどんなのかわかる。」と。

当時モチーフには極力触れてはいけないと思い込んでいたので(もちろんダメな試験もあります)、そんなのいいのかと衝撃でした。
でも確かに、見るだけと実際に触れるのとでは得られる情報量が全然違うんです。そりゃ同じものを描いても違いが出て当然です。

 

この言葉を聞いてから実践していくうちに、うまい絵には小手先ではない感覚的な何かがあると実感するようになりました。

そしてそれは勉強してどうこうではなく、モチーフに相対した時にどう感じるかということなので、すぐにでも、誰にでもできることです。
技術的なことはその感じた何かをより魅力的に見せる手段のひとつにすぎません。

 

なので、絵をもっとうまく見せたい・魅力的にしたい!という方は、まず「想像する・感じる」ことからはじめてみてください。影のつけ方とか、そんなのは後です。

モチーフにまっすぐ向き合うことで、これまでと絵の感じが変わると思いますので、ぜひ一度お試しください!

これをきっかけに満足いく絵が描けたら幸いです!(^^)

 

160229_03

↑(おまけ)大学合格時のデッサン。お菓子食べたかった…

 

 

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