なぜデザイナーが神輿を作ることになったのか?それは、とある方の夢でした。

先日の高倉山願成寺の大祭への想いを綴らせて頂き、非常に多くの方の反響を頂戴しありがとうございました。

「そんな想いがあったのね」「そういう風に想って取り組んでいたのか」

なかなかアウトプットがまだまだ下手でお伝え出来ていなかったので、今後の課題として邁進しますm(_ _)m

さて、あれから1ヶ月もまだ経っておりませんが、大阪に戻りまためまぐるしく日々を過ごさせて頂いておりますが、最後に「え?そんなことまでやってたの?w」という話題を頂きました内容について記そうと思います。

そう。
それは。

「神輿制作」

(笑)。。。

この大祭はちょうど去年の今頃より草案段階で色々とアイデアを出して、徐々に固めていった物ではありますが、今回25年ぶりの御開帳になった願成寺の三宝荒神様は、願成寺の裏山の御神山である、高倉山の中腹に祀られており、参道もなかなかの急斜面で、僕らでもちょっと息が切れる道のり。

御高齢の方の参拝はかなり難しい。
当初は、それでも苦を共に詣ることがありがたいのではないのか?本堂には本尊様がいらっしゃるので神仏が合わさることは良いのか?など議論を呼び、草案段階では、やはり社殿まで参って頂こう、というのが当初の計画でした。

しかしある程度大祭企画内容を進めた時、住職の祖母にあたるおばあちゃま(先代住職の体調により叔母亜ちゃまがある意味長年ずっと一人で願成寺の周り支度をしてくださっていました)のある日見た夢がきっかけでした。

「いつってうのは分からんが、昨日見た夢で私が先頭を巫女の格好で歩き、若者達が荒神様を神輿に担いで山を下りている夢を昨夜見たんです。。。それは、それは、皆笑顔で賑わっていました。。。」

長年願成寺を護ってくれていたおばあちゃまは、結構こういうことを感じられるお方だそうで、この一言に住職や総代さんと再度企画を練り直し、見直そうという流れに変わりました。

神輿はどうするんだ?誰が担ぐんだ?本堂にどう遷座するんだ?

もちろん懸念材料は山積みになる練り直しではありましたが、自分も含めて、これは何かのお示しかもしれない、そう感じたのは間違いではありません。神輿を手配するにはどうしたら良いのだ?という議論より、当然予算的にも大変です。しかも御開帳は毎年あるわけでもないので、この日の為に数十万、数百万の予算が下りるはずもない。

シンプルな志向かもしれないのですが、自分が言ったこと。
「やったことないですが、だったら作りましょう」

もちろん神輿なんか作ったこともないですし、何とかなるだろうと少し軽く考えていたのはあるかもしれません。
そもそも「たかが夢」かもしれない、しかしそうやって切ることは簡単です。でも、おばあちゃまのそのタイミングでの何か予知夢のような出来事を無視することは出来ませんでした。

さて。

作るといった手前、どうしようかという不安はその当時は全く考えておりませんでして。。。w
とにかく、
①荒神様を安全に本堂まで下ろしてくること
②御開帳という記念すべきものなので、余り質素には出来ないこと
③とはいえ、かなりの大祭にかかる費用を考慮するとコストも考えなければならない。
上記を基準に、まずは全国の小規模の神輿の研究より、削ぎ落として削ぎ落として。。。

mikoshi8資材に関してはどうするか?
当然大阪の事務所で、がっつりDIY出来るスペースもなく、木材は、先日ご紹介した事前にカットした製材を納品してくれるマルトク(http://shop.woodworks-marutoku.com)さんで手配。

通常業務の合間を縫って、神輿制作作業が始まります。

mikoshi1

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mikoshi5とにかく一番苦労したのは、何より貴重な三宝荒神像を安全に固定する。
荒神様は今回の御開帳を機に修復作業も行いピカピカ、また法具も非常に細かい。
いかに傷つけないか、万が一の万が一も検討し、また地元の長年仏具店でお世話になっている、ナカヤ様にもその道のプロとしてアドバイスを頂戴しなんとか枠組みは完成。

mikoshi6塗装の写真がごそっと抜けておりますが、さすがに事務所でシンナー臭まき散らして作業するわけにはいかず、事務所近所の公園で塗装(笑)。
しかもその日は、天候が悪く、雨が降ったりやんだりの試練も頂戴致しました。。。

当然、180cmの黒づくめが公園で、なにやらペンキの色を塗っている。しかも家具では無いっぽい。
通りかかる人に、

「兄ちゃん、何作ってんの?」
「あ、これ神輿です。。。」
「あ、神輿ね〜!!。。。え??神輿??」

というクダリを何回もクリアしw、完成に至ったわけです。

mikoshi7結果的に、心配だった荒神様の固定も何事もなく、また神輿自体の破損もなく無事終えられたことは、荒神様が沢山の皆の前に御姿を見せられたことを喜んで下さったのかな?とおこがましくも、感じております。

またおばあちゃまの夢がきっかけの社殿行列。
無理を強いて御高齢のおばあちゃまに先頭を歩いて頂けたこと、なによりおばあちゃまも喜んで下さったこと。
そして、お越しの皆様に、寺と檀家、地域が護る貴重な荒神様をきちんとお見せ出来たこと。

この御開帳大祭で得た大切な事をしっかり今後も生かし、ますます次フェーズにステップアップしていくきっかけを頂戴しました。今回得たことをしっかり皆様に還元したく今後も頑張ってい参ります!と宣言した上で、今回の御開帳のお話を締めさせて頂こうと思います。

本当にありがとうございましたm(_ _)m

記:馬淵

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